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100年の歴史と信頼を守り続けるために
次の世代に水倉組の誇りを伝えたい

代表取締役水倉 直人Mizukura Naoto

「人と会社の良い循環が育まれています」

水倉組は100年もの間続いている企業ですが、その原動力は何でしょうか。

私たち水倉組は大正2年(1913年)に創業し、おかげさまで平成25年(2013年)に100周年を迎えることができました。これだけ長い間会社が存続できたのは、ひとえに地域の皆様からご信頼をいただき、お仕事をいただいてこれたからだと、日々感謝しています。

長い歴史の中で、水倉組には地元から数多くの人が入社しています。もちろん、現社員の中にも、「子どもの頃から水倉組の名前を知っていた」と話す人が少なくありません。私たちは地元である西蒲原(今の西蒲区)を中心に、農業土木や建築、舗装の事業を展開してきましたので、水倉組の名前が地域に広がり、郷土、地域社会を愛する良い社員が集まっているのだと思います。人と会社の良い循環が育まれていることが、これまで水倉組が続けてこれた理由ではないでしょうか。

どの時代でも、会社は地域や社会の信頼が無ければ成り立ちません。創業以来のモットーである「今日を築き、明日を拓く」の言葉通り、これからも国土建設の基幹産業としての役割を果たしながら、地域の皆様の信頼を守っていきたいと考えています。

人材不足についてはどのように考えていますか。

他の業界と同様ですが、土木、建築の業界では、近年慢性的な人材不足の状態が続いています。大手を含めた各社で、限られた人材を取り合うような状況です。未来を担ってくれる人材の獲得と育成は継続しなければいけませんので、教育制度、労働環境についての整備を進め、社員が働きやすい職場造りを行なっています。

その取り組みの一つが、先輩と後輩の連絡ノートです。新入社員一人一人に専属の先輩をつけて、日々の業務や疑問、悩みなどをノートでやり取りする制度です。もちろん個人的な内容なので、私もどんなことが書かれているのかは分からないのですが(笑)。新入社員には概ね好評だそうです。何でも気軽に相談できるのが良いようですね。

また、新人に関して、半年間は原則「ノー残業」としています。これはワークライフバランスの取り組みで、仕事はもちろん、業務に役立つ資格の取得、新しい技術の勉強、プラーベートまで、生活を充実させて良い仕事をしてほしいとの思いからです。将来的には新入社員の「ノー残業」期間を1年に延長したいと考えています。

人材についてもう一つ取り組みを予定しているのが、女性の現場技術者育成です。現代では「土木女子」ということで、この業界を希望される女性が増えています。私たちも現場の更衣室やトイレなど、環境を整える計画です。やはり、男女に関係なくのびのび働けることは、業界にとってとても大切だと考えています。近年の公共事業においては、女性技術者に向けた案件も出てきていますので、業界の一員としてもぜひ女性の方に興味を持っていただければと思います。

「未来に繋がる取り組みを続けていきたい」

業界の現状についてはどう感じていますか。

新規工事の仕事が潤沢にあった時代とは異なり、現在では既存の構造物の修繕や補修の事業が増えてきています。私たち水倉組でも、水路を長寿命化する「ストパネ工法」など、新しい工法を産学連携で開発するなどの取り組みを進めています。

もともと、ストパネ工法は農林水産省北陸農政局の募集がきっかけで、新潟大学農学部とともに3年をかけて開発した技術です。このような未来に繋がる試みは、今後もぜひ継続していきたいと思いますので、社員にも次に続くアイデアを募っています。

また、国交省が推進しているICT技術を取り入れることも重視しています。土木部、建築部を中心に、ドローンや新しい検査機器の研究を行なっています。これはさまざまなジャンルの学生に才能を発揮できるステージを用意することと同時に、人材不足を効率化によってカバーしたいと考えているからです。ICTなどの新しい技術は、通常の工事に役立つのはもちろんのこと、災害時には現場で作業する社員や関連会社の方の安全を確保することにもなると思いますので、研究と導入の動きを加速していきたいと思います。

ご自身が考える建設業の良さは何でしょうか。

一つは、建物や道路など、造り出したものを一般の方に使っていただき、「きれいになった」「便利になった」とお言葉をいただくことです。喜んでいただけること。基本的なことですが、土木、建築、舗装に携わるものとしては、それが一番大事な部分ですね。

このことは、地域貢献の原点でもあります。まず地域の役に立つこと、地域の住民の方に喜んでいただくこと。これは水倉組の出発点です。地域に根ざした、存在価値のある会社であるために、社員一丸となって、情熱を持って仕事に取り組んでいきます。

もう一つはスケールが大きいということですね。現場もそうですが建設機械は巨大なものが多く、魅力を感じる人は多いと思います。私自身、若い頃には東京湾横断道路の東京湾アクアラインの現場にいたのですが、巨大なシールドマシンは迫力がありました。大きな現場は地図に残るので、そういった意味でもスケールが大きいのは良いですね。

「地元愛や仕事への誇りを次世代に伝えたい」

次の100年、水倉組が目指す未来を教えてください。

これまで築き上げてきた100年の信頼。ここには水倉組の先人たちの努力がつまっています。これからもこの信頼を守っていくために、地元愛や仕事への誇りを次の世代に引き継いでいきます。

そして、100年後も「水倉に任せれば大丈夫だ」と言われるように、地元に貢献し続ける会社、皆さんに愛されている会社であって欲しいですね。

そのためにも、これから入社される方にどんどん水倉組を盛り上げていってほしいです。社員一同が志をもって日々地域の皆様に貢献し、地域と会社の良い関係が続くよう、今後も努力してまいります。

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